- 著者
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荒木 重治
- 出版者
- 金沢大学
- 雑誌
- 高校教育研究 (ISSN:02875233)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, pp.87-115, 1998-10
歴史教科書をめぐる論争は,子供からの視点が抜け落ちている。子供に何を教えるかよりも,どんな子供になってほしいかの方が重要なのに,そのことが話題にされていない。歴史というのは,過去に学んで将来に活かすものであるはずなのに,歴史教科書をめぐる論争は,将来を見据えていない。最初に結論ありきの,当時の日本を正しく知ってこそ,新しい日本を作っていくことができるはずだ。しかし,最初に結論ありきの姿勢は,今にいたるも変わっていないのではないか。現在の教育改革が抱える問題点も,最初に結論ありきではないのか。歴史教科書問題や教育改革を,あえて現在の流れに逆行し,子供の視点から再点検してみた。