著者
宮沢 伸彦 掘越 徹 西ケ谷 和之 柿沢 敏之 金子 的実 深町 彰 貫井 英明
出版者
山梨医科大学医学会
雑誌
山梨医科大学雑誌 = 山梨医科大学雑誌 (ISSN:09120025)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.61-66, 1989

1984年5月から1988年5月までの4年間に経験した高血圧性脳内出血67例について臨床的検討を行い,被殻出血を中心に外科的治療法の成績・手術適応について報告する。又,最近比較的非侵襲的な外科的治療である定位的血腫吸引術も行っているので合わせて報告する。対象は被殻出血41例,視床出血7例,皮質下出血6例,小脳出血9例,脳幹出血4例であり,年齢は36歳~83歳,平均59歳で,男性が64%を占めた。被殻出血の手術適応はCT上の血腫の最大径が3cm以上であり,神経症状,意識障害があるかまたは出現することが予測される例とした。被殻出血で手術を施行した31例の成績は21例(67%)が予後良好,6例(20%)が予後不良,4例(13%)が死亡であり,全国統計と比べて手術成績は良好であった。神経学的重症度1~3の例では74%が機能予後良好,重症度4a~5では25%が予後良好例であった。CT上の血腫の最大径が5.5cm以上のもの及びCT分類IVb~Vでは予後不良であった。以上の結果から,被殻出血はCT上の血腫の大きさ,広がり,神経学的重症度をよく考慮して手術適応を決定すれば比較的良い成績が得られると考えられる。定位的血腫吸引除去術を被殻出血4例,視床出血2例,小脳出血1例の計7例に施行,血腫除去率は平均72%であり,予後良好例4例(57%)であった。高齢者等には有力な方法となり得ると考えられた。

言及状況

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CiNii 論文 -  <原著>高血圧性脳内出血の臨床的検討 https://t.co/eFI1q8Xp0v

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