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出版者
京都大学
雑誌
京都大学結核胸部疾患研究所紀要 (ISSN:00093378)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.43-59, 1982-09-30

いわゆるアスピリン喘息の発作誘発物質がきわめて多種多様であることは, 今日では疑う余地もなく明白である。特に, アスピリン様の解熱鎮痛剤(酸性非ステロイド性消炎剤)は, いずれも強力な誘発物質として知られている。そこで本論文では, 解熱鎮痛剤による発作誘発歴が明らかに認められるか, あるいは解熱鎮痛剤の負荷試験により気道攣縮反応が陽性であることが確認された症例を解熱鎮痛剤過敏性喘息(AIA)として扱い, その臨床像の特徴を解明することを目的として, 臨床的検討を実施した。対象はAIA 40症例(AIA群)と, 対照群としてアトピー性喘息32症例(アトピー群)および内因型喘息27例(内因群)の計99例であった。アトピー群, 内因群の症例は, 少なくとも一種以上の解熱鎮痛剤負荷試験が陰性であることを確認した症例, すなわち非AIAと判定された症例とした。これら3群の症例について, 各種の問診および臨床検査項目の成績をまとめ, 群間比較を行ないつつ検討した結果, 次の成績を得た。

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