著者
吉田 優子 池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.55-88, 1992-03-25

1.新聞に認められる食物語彙について分析した。2.新聞は、3月および10月期に刊行された地方紙を用いた。3.新聞の総頁数は1,444頁で、記事は768項、広告は、676頁である。4.食物語彙の種類は、全体で718種であり、頻度数は5,699である。5.記事欄の食物語彙は585種、頻度数4,120回であり、広告欄の食物語彙は275種、頻度数1,579回である。6.穀物では、'米'、'パン'、'パン粉'が主な食物語彙で、記事欄では'米'が'パン'の4倍であり、広告欄では'パン粉'、'食パン'、'パン'が主で、'米'の8倍である。穀物全体では、米に関する語がパソに関する語より1.5倍と多い。7.芋類では、'ジャガイモ'が主で、'サツマイモ'より'長芋'、'里芋'の方が頻度は大きい。8.野菜では、緑黄野菜で'ニソジン'、'トマト'、'ホウレン草'が、淡色野菜で'ダイコン'、'玉ネギ'、'ゴボウ'、'長ネギ'が大きく、3月期に較べて10月期では'カボチャ'と'ゴボウ'の頻度がかなり大きい。'キュウリ'、'キャベツ'、'ハクサイ'、'レタス'の頻度は10月に多い。9.果実では、'リソゴ'、'ミカン'、'バナナ'、'レモン'、'イチゴ'が多く、10月期より3月期で'リンゴ'と'バナナ'が大きいが、10月期の方が語彙の種類は多い。'パイナップル'は広告欄で多い。10.豆では、'大豆'、'小豆'、'ミソ'が多く、記事欄で'大豆'と'小豆'、広告欄で'ミソ'が大きい。11.種実では、語彙の種類は少なく、'アーモンド'が主である。12.藻類では、'焼ノリ'、'ノリ'、'味付ノリ'等のノリに関する語が広告欄に庄倒的に多く、記事欄では、'ワカメ'、'コンブ'が主に認められる。13.茸では、語彙の種類は少なく、'シイタケ'、'生シイタケ'、'干シイタケ'が主である。14.魚介では、語彙の種類が124、頻度1,106と食品群で一番多い。'鮭'、'鱒'、'ホッケ'、'カレイ'、'ヒラメ'が多く、特に'鮭'と'鱒'で2割を占めている。広告欄では'フグ'と'アンコウ'が主である。水産動物では、'ホタテ'、'タコ'、'カキ'、'イカ'が多い。15.獣鳥肉では、'牛肉'、'豚'、'和牛'、'肉'、'牛'、'乳牛'が多い。広告欄での'豚'と'牛'の量はほぼ同じである。16.卵では'鶏卵'が主である。17.乳・乳製品では、'牛乳'、'チーズ'、'バター'が主な語彙で、3月期より10月期で、広告欄より記事欄に'バター'が多い。'チーズ'の他'ゴーダ'、'カマンベール'、'チェダー'、'クリーム'、'エダム'等のチーズの種類名が認められる。18.糖では'糖'、'砂糖'が主で、広告欄ては'テンサイ糖'、'オリゴ糖'が多い。19.油脂では、'油'、'サラダ油'が主である。20.調味料では、記事欄で'塩'と'醤油'が、広告欄で'ミソ'と'酢'が多い。香辛料では'コショウ'が主である。21.添加物では広告欄に'カルシウム'と'香料'が多い。22.嗜好品では、アルコール飲料で'ビール'、'酒'、'ワイン'の頻度が大きい。'ウイスキー'は広告欄に多く認められる。茶類ては'煎茶'、'コーヒー'、'茶'が多く'煎茶'、'玉露'、'茶'は広告欄に多く認められる。その他の嗜好飲料では'カルピス'と'ジュース'が主である。23.菓子では'ホワイトチョコレート'、'チョコレート'、'ミルクキャラメル'の頻度が大きく、いずれも広告欄に多く認められる。24.調理加工品では、語彙の種類は多いが、個々の頻度は少なく、'漬物'、'ピザ'、'スシ'が僅かに大きい。

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こんな論文どうですか? 新聞に認められる食物語彙について : 第III報(吉田 優子ほか),1992 http://t.co/EZW1ApVjn1
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