- 著者
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谷島 一嘉
- 出版者
- バイオメカニズム学会
- 雑誌
- バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.1, pp.10-13, 2001
建設中の国際宇宙ステーションから2014年ごろの火星有人飛行において,長期無重力暴露に起因する循環や骨筋肉系の退化,カルシウム喪失が大きな問題になる.現在の対策ではなお十分でなく,人工重力のみがこれらを網羅できる対策であると,19世紀から考えられているものの,地上での実験と有効性の検証が遅れている.人工重力研究の国際的WGは1990年頃始まったが,我々は将来の重要性を見越して当初から独自の小型短腕遠心機を開発して研究を続けていた.無重力暴露のの地上模擬実験である6度ヘッドダウン臥床を4日間行い,世界で研究者が抑えきれなかったヘマトクリット値の上昇を,毎日+2Gz-60分の遠心負荷をかけて,初めて抑えることが出来た.遠心負荷の有効性を改めて示し,宇宙で試されるべき人工重力の一つの有力なパラメータを提供した.