- 著者
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中尾 弘志
- 出版者
- 日本応用動物昆虫学会
- 雑誌
- 日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.3, pp.125-130, 1984-08-25
- 被引用文献数
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北海道では,毎年約5%のダイズがハトによる被害を受けた。ダイズの栽培面積と被害面積率との間には負の相関(<i>r</i>=-0.256<sup>*</sup>, <i>n</i>=91)が,被害面積率とダイズ食害率との間には正の相関(<i>r</i>=0.390<sup>***</sup>, <i>n</i>=91)が認められた。加害の主体はキジバトであった。<br>播種時期別の被害調査(5∼6月)では,いずれも食害率が高かった。<br>畑へのハトの飛来は早朝と夕刻に多かった。<br>キジバト,ドバトとも主として植物質を餌とし,ダイズ,アズキ,コムギ,トウモロコシ,イネなどの農作物を多くとっていた。コムギは利用可能な期間が7∼9月と長く,栽培面積が急増しているために,餌としての重要性が高くなってきたと考えられる。