- 著者
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高橋 裕子
- 出版者
- 大阪樟蔭女子大学
- 雑誌
- 大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, pp.95-103, 2005-01-31
アスペルガー障害(Asperger's disorder: ASP)とは、DSM-IVにおいては高機能広汎性発達障害(high-function pervasive developmental disorder; HFPDD)の下位障害に分類されており、1944年にアスペルガーが報告した自閉症の中でも比較的言語発達が良好なタイプを指す。この障害の特徴として「社会的相互作用の質的障害」があるが、高い能力を有しながらも社会適応が困難である点、本人も周囲もこの質的障害を正しく認知し、適切な対応や支援を求めることが難しい点は、社会的な次元の問題であると同時に、障害の個人差を見極めにくいことが関与している。 本稿では、成人後にアスペルガー障害であると診断された女性のロールシャッハ反応に現れる特徴を形式構造解析の観点から検討し、援助の手がかりとした事例を報告する。