著者
山口 美代子 木咲 弘
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.208-212, 1989

クチナシの果実を用いた黄飯の緑変について検討した結果、次の知見を得た。黄飯の緑変は、モチ米をクチナシ液に30~40℃で24時間浸漬したのち蒸煮したときに起こった。また、この緑変は、浸漬温度の低いとき、浸漬時間の短いときには起こらず、モチ米をよく洗うと弱められ、モチ米にヌカを添加すると強められた。ヌカを用いたモデル実験の結果から、緑変は、加熱処理したヌカでは起こらず、銀イオンの添加によって抑制された。また、緑変の溶液は、440nmと590nmに吸収極大をもっていた。これらのことにより、黄飯の緑変は、モチ米、あるいは、モチ米に付着したヌカの酵素によって、クチナシ液に含まれていたイリドイド配糖体がゲニピンとなり、これがモチ米の蒸煮のときに、モチ米のアミノ酸などと反応して青色素に変わり、この青色素がクチナシ本来の黄色素と混じりあって緑色を呈するためと推論した。

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@iori_14Tonberry クチナシの緑変は論文があったりします。黄+青で緑になってるみたいですね https://t.co/JAQ6mZQr2r

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