著者
河村 フジ子 加藤 和子 畑中 としみ
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.240-245, 1987

市販カレー粉の加熱香気の同定を行い、次いでカレー粉の種類、調理法、加熱時間による香気の変化について実験した結果を要約すると次のようになる。1. カレー粉の加熱香気成分として、α-ピネン、β-ピネン、α-フェランドレン、リモネン、1、8-シネオール、α-テルピネン、P-シメン、ツヨン、リナロール、カリオフィレン、α-テルピネオール、クミンアルデヒド、アネトール、サフロール、シナミックアルデヒド、オイゲノール、チモールの17種類を同定した。2. 市販品2種のカレー粉の加熱香気成分は、種類はほぼ同じであるが、その割合は異なる。3. カレー粉にマーガリンを混合して煮るとターメリックの成分とクミンアルデヒド、オイゲノールが顕著に減少する。4. カレー粉をマーガリンで炒めて煮るとターメリックの成分以外のすべての香気成分は顕著に減少する。5. カレー粉のみ、マーガリン混合カレー粉、マーガリンで100℃まで炒めたカレー粉を煮ると、香気は0~30分で急速に減少する。一方、マーガリンで140℃まで炒めた場合は、0~30分より31~60分の方がより多量の香気が発生する。6. カレー粉を長時間煮た場合、残りやすい香気成分は、オイゲノールとターメリックの成分である。7. 官能検査の結果、カレー粉の香りは、マーガリンを加えることにより、さらにそれを炒めることにより、弱くなる。マーガリンで140℃まで炒めたカレー粉は好まれない。未加熱カレー粉に熱水を加えたものは、一時間似たものより、香りが強い。一方、1~3時間煮ると二者間の有意差は認められなくなる。香りの好みについては、加熱時間による有意差は認められない。
著者
竹井 よう子 徳毛 尚子 山本 三恵
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.44-48, 1984
被引用文献数
1

糖濃度の低い, 果皮割合の多い手作りママレードの原料として, どのような柑橘が適しているか, 国内産柑橘7種を用いて検討を行い, 以下の知見を得た。1. ママレードのゼリー化に必要な条件を備えているか, 生果の性状を調査したところ, すべてがペクチン量十分であったが, pHは, 日向夏を除く6種が不十分であった。2. 砂糖45%添加の全果使用ママレードでは, 日向夏, テンプルを除く5種がゼリー化不十分であり, 又クエン酸添加でゼリー化し, 酸度の不足が確かめられた。3. 果皮, クエン酸, ペクチン, 砂糖から調製した果皮使用ママレードについて検討したところ, 官能検査によりテンプルと日向夏は嫌われたが, 伊予, ネーブル, コウトウ柑, 八朔, 安政柑は市販品に劣らず好まれる事が判明した。
著者
菊池,三郎
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, 1987-12-20
著者
土屋 隆英
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.159-166, 1988
被引用文献数
2
著者
塩田,教子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, 1986-12-20

卓袱料理の豚の角煮は, 常法では長時間かけて水煮してつくられるので, 高圧加熱による早煮法を検討した。先ず感応検査でほぼ同じやわらかさの角煮を得るための高圧加熱時間を求め, その角煮について物性, 脂肪含量および組織の相違を調べた。また一般家庭では豚皮はかたいので除去されるが, 高圧加熱した場合の嗜好や軟化に関係するタンパク質の動向を電気泳動で調べ, 消化率も求めて利用価値を検討した。1) 40分間高圧加熱後, 水を換えて再び20分間加熱した角煮(S3)は, 常法の4時間水煮(S1)とほぼ同じやわらかさの製品が得られた。機器による物性測定でも, ほぼ同じ性質をもつものであることを示した。2) 高圧加熱されたS3は, S1に比べて重量と脂肪含量は僅かに低値を示した。またガス消費量と調理所要時間は, 常法の45%と25%であった。3) S3の皮部の可溶性コラーゲン量は, S1の皮部とほぼ同量であり, また両者の可溶性タンパク質の電気泳動パターンもほぼ同じであった。4) 高圧加熱によると, 豚皮は短時間にゼラチン化し, 製品の口あたりをよくし, 消化率も高く, 利用価値が認められた。5) 組織は, S3の皮部のコラーゲン線維がほぐれて細分化し, さらに一部溶解していた。これが物性を口あたりよいやわらかさに変えた。肉部では結締組織が顆粒化し内筋周膜の間隙にも顆粒が充満し, これがもろさの原因と思われた。
著者
小菅,充子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, 1987-03-20
著者
川端 晶子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, 1982
被引用文献数
1
著者
山口,和子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, 1982-06-20

食嗜好の変化とその要因を明らかにする目的で、食品の好み度を測定し解析を行った。調査は昭和53年10月、12歳以上の男女5,000人を対象に実施した。第1報では性・年齢、地域、職業、家族構成などの属性以外で、嗜好そのものに影響を及ぼす嗜好因子を抽出し、この嗜好因子が各属性と関連しあって嗜好を規定することを統計的に確認し、食品に対する好みの変化を追跡する基礎的内容となることを報告した。本報では前報に続いて、性・年齢階層別、地域別、職業別の嗜好傾向を食品の「好み値」「好みの偏り度」によって解析し、次のような結果が得られた。1)食品の好み傾向の性差は僅少であるが、年齢階層差は大きい。特に男女共に30歳代と40歳代の間に大きな断層が認められた。すなわち、10歳代から20歳代にかけて好きな食品数が増加し、好みの偏り度は上昇するが、30歳代では下降しはじめ、40歳代で急激に全体平均値以下に低落、50歳代、60歳以上の高年層とほとんど同じ好み傾向を示した。2)好み値3.8以上の好きな食品群をみると、男子は和風の蛋白質性食品が多いのに対し、女子は和風の糖質性食品でほとんどを占める。年齢階層別では10〜20歳代の若年層は洋風食品、スナック類、デザート類の好み値が高く、50歳代以上の高年層の場合の高い好み値は和風伝統食品に集中し、若年層、高年層の間で対照的た好み傾向が認められた。好み値の高い食品は普及率(95%以上)も高く、好み値に寄与することを示した。 3)地域別にみると、東海が全国平均値的な好み傾向を示し、関東は最も積極的な食品の好み傾向を示した。北陸・中国・四国はかなり保守的な好み傾向であった。近畿は好み値の高い食品も多いが低い食品も多い。北海道、東北は近畿と反対の好み傾向を示した。九州は好み値の高い食品数が少なく、好みの頻り度も低い。各地域の特産食品の好み値は年齢階層に関係なく高い。4)職業別の食品の好み傾向は、各職業を構成する年齢階層の最多響を受けていた。しかし、年齢構成がほぼ同じ比率で分布する専門技術職と労務職の間で、専門技術職が食品の好みのうえで明らかに積極性を示すのに対して、労務職の好み傾向は低いことから、職業もまた食品の好みに影響を及ぼすことがわかった。5)以上を総括すると、地域別、職業別の食品の嗜好差に比して、年齢階層別の嗜好差が最も大きいことが認められた。特に男女共30歳代に嗜好変動の分岐域があるように考えられた。
著者
脇田,美佳
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, 1986-07-20

厚削り鰹節を用いて長時間(120分)加熱してとるそばつゆ用だし汁のエキス分, 総窒素量, アミノ態窒素量, 5'-IMP, 5'-AMP量, 酸度, 粘度を経時的に測定した。厚削り鰹節に含まれる水溶性成分はいずれも本条件下では60 〜90分でほぼ浸出を完了し, それ以降の加熱は成分浸出を目的とするのではなく, 徐々に煮つめていくことによりだし汁の濃度を高めるためになされると考えられた。
著者
米田 泰子 加藤 佐千子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.31-38, 1994
被引用文献数
3

玉露、煎茶、水出し煎茶、ほうじ茶、番茶、烏龍茶について浸出時間と煎出回数を変化させてそれらの浸出液中のカフェイン及びタンニン溶出量を測定し、これらの茶湯中濃度の違いと官能検査結果との関連性を検討し以下の結果を得た。1.玉露は0.5、1、2、3分浸出のものについてはカフェイン、タンニン濃度は共に2煎に高くなるが、浸出時間が4分以上になると2煎よりもむしろ1煎に高くなったのに対し、官能検査での苦味や渋味の感じられ方は1~3煎までほとんど変わりなく普通と評価された。全体の味や好みは1煎が最も強く、好まれ、煎を重ねるに従い弱く好まれないと考えられる。2.煎茶では0.5、1分浸出のものは2煎にカフェインが、0.5、1.2分浸出のものは2煎にタンニンの濃度が高く、2、3、4分、又3、4分の浸出のものはそれぞれ1煎に高い。官能検査の苦み、渋みは1、2煎共に同程度の強さで感じられ、3煎に弱く感じられた。官能検査の全体の味の強さは煎を重ねるに従い薄くなったが好みでは1、2煎が評価同程度で3煎ではやや好まないとされた。3.ほうじ茶、番茶では番茶のタンニン濃度の0.5、1分浸出以外はカフェインやタンニン濃度は1煎に高くなり、官能検査の苦みや渋みも1煎が強く感じられ、煎を重ねるに従い弱く感じられた。好みでは煎茶と同傾向であった。4.ウーロン茶のカフェイン及びタンニンの濃度はほうじ茶や番茶と同結果であったが、官能検査では全体の味が強く感じられる1煎は好まれず、2煎が最も好まれたと考えられる。5.ほうじ茶、番茶などの下級茶の方がカフェイン及びタンニン濃度と苦み、渋み、旨味、好みとの間に正の相関関係があり、上質茶よりもカフェインやタンニン濃度によって味が左右されやすいと考えられる。一方、烏龍茶ではカフェイン、タンニン濃度と好みの間に負の相関があり、これらの濃度が高い場合は好まれない傾向にあった。
著者
長尾 慶子 横川 知子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.25-30, 1994
被引用文献数
2

ハードドーナツの揚げ加熱中に生じる亀裂について、亀裂の発生部位、亀裂の程度(亀裂値)及び外観評価におよぼす材料配合及び放置温度の影響を知ることを目的とした。ドーナツの材料配合のうち、最も寄与の大きいと考えられる小麦粉重量を基準とした配合比を独立変数として統計解析を行い以下の結果を得た。1)小麦粉重量に対し砂糖、バターが多い配合は重量、体積共に増加が大であった。その傾向は低温試料の方が大であった。2)材料配合により上面部に亀裂の起きやすいものと側面部に亀裂の起きやすいものとにわかれた。小麦粉重量に対して砂糖、バター、牛乳の多い配合は上面の亀裂値が大となった。一方、砂糖と卵の多い配合は側面の亀裂値が小であった。3)ドーナツの外観評価には、ドーナツの亀裂の好ましさと均整の項目が大きく寄与しており、適度の大きさの亀裂の存在がドーナツとしてドーナツとして好ましい評価を与えていることが示された。特に、側面亀裂が0で上面に適度な亀裂のあるドーナツが好ましい評価を得た。4)砂糖、卵が多く、バターが少ない配合のものが外観評価の良いグループに判別された。

2 0 0 0 OA イランの食物

著者
荻,昌朗
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, 1981-10-20
著者
浜田 璋子 山野 澄子 大西 正三
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.158-162, 1968

(1)残留塩素測定法を検討した結果,o-トリジンで呈色させた後その吸光度を分光光電光度計で測定し,あらかじめ作成しておいた残留塩素標準曲線により残留塩素量を求める方法を考案し,従来の測定法よりも迅速に,かつ正確に測定できることがわかった。(2)残留塩素の時刻的分布をみると1日の中で水道水を比較的多く使用する昼前から午後にかけて多くなっている。反対に朝水道水を出しはじめた直後はほとんど残留塩素は存在せず,それから1~2時間は非常に低い値となっている。(3)水道水を放置,攪拌するだけで残留塩素は減少していく。攪拌の場合その減少の仕方は攪拌しはじめた時急激に減少し,ある程度減少するとそれ以後は攪拌に時間をかけてもあまり変化がない。(4)調味料を添加した場合の残留塩素の減少は食塩の場合はかなり大である。蔗糖の場合は蔗糖濃度が高くなるほど減少の割合は大となる。酢酸添加の場合はあまり減少しない。また酢酸濃度を高くしてもその減少に変りはなかった。このことから食酢を用いる調理には残留塩素の残存はかなりあることが予想される。終りにのぞみ本実験に際し,御丁重なる御教示をいただきました大阪市水道局水質試験所,近藤正義,八木正一の両氏に深甚なる謝意を表する次第である。なお,本報告は昭和41年10月,日本家政学会関西支部総会にて口述発表したものである。

2 0 0 0 OA めん

著者
棚田,益夫
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, 1976-09-20
著者
丸山 悦子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.75-79, 1977
被引用文献数
5

1牛すね肉より4種類の方法でスープストックを調製し,官能検査により,どのようにしてつくったスープストックが最もおいしいかを追求した結果,スープストックは予め浸水させ,水溶性の旨味成分を溶出させるとともに,あくを充分出す方法で調製したものが好まれた。2あくは大部分が粗脂肪からなり,このうち80%以上は中性脂肪で,ついでコレステロール,コレステロールエステルも多く,リン脂質は微量であった。3最も好まれた方法によりスープストックを調製し,生じたあくならびにストック中のたん白質,脂質の定量を行ったところ,試料肉の粗たん白質は6~7%ストック中に溶出するが,あくには約1.8%であった。一方,粗脂質はストック中には少なく,あくとして約37.5%除去されることを認めた。
著者
井川,佳子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, 1993-05-20

市販わらび餅粉(サツマイモ澱粉)の品質と加熱方法の違いが,わらび餅としての性質にどのような影響があるのかについて,主にゲルの物性と糊化度などの点から検討し,次のような結果を得た。1)ゲルが透明になった後の継続加熱時間が増すと,概して破断応力や凝集性は大きくなった。2)粉末状のわらび鱗粉(P)のゲルは,粒状のもの(G1とG2)に比べ,かたく凝集性が高かった。3)PとG1やG2で調製したゲルの間には官能的た差が見られ,Pはかたくねばくないと評価されたが,感触的好ましさに統計上の差は見られなかった。4)糊化度と白濁程度の点から,G2が他の2試料に比べ老化しにくいことが示された。
著者
米田,泰子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, 1994-02-20

玉露、煎茶、水出し煎茶、ほうじ茶、番茶、烏龍茶について浸出時間と煎出回数を変化させてそれらの浸出液中のカフェイン及びタンニン溶出量を測定し、これらの茶湯中濃度の違いと官能検査結果との関連性を検討し以下の結果を得た。1.玉露は0.5、1、2、3分浸出のものについてはカフェイン、タンニン濃度は共に2煎に高くなるが、浸出時間が4分以上になると2煎よりもむしろ1煎に高くなったのに対し、官能検査での苦味や渋味の感じられ方は1〜3煎までほとんど変わりなく普通と評価された。全体の味や好みは1煎が最も強く、好まれ、煎を重ねるに従い弱く好まれないと考えられる。2.煎茶では0.5、1分浸出のものは2煎にカフェインが、0.5、1.2分浸出のものは2煎にタンニンの濃度が高く、2、3、4分、又3、4分の浸出のものはそれぞれ1煎に高い。官能検査の苦み、渋みは1、2煎共に同程度の強さで感じられ、3煎に弱く感じられた。官能検査の全体の味の強さは煎を重ねるに従い薄くなったが好みでは1、2煎が評価同程度で3煎ではやや好まないとされた。3.ほうじ茶、番茶では番茶のタンニン濃度の0.5、1分浸出以外はカフェインやタンニン濃度は1煎に高くなり、官能検査の苦みや渋みも1煎が強く感じられ、煎を重ねるに従い弱く感じられた。好みでは煎茶と同傾向であった。4.ウーロン茶のカフェイン及びタンニンの濃度はほうじ茶や番茶と同結果であったが、官能検査では全体の味が強く感じられる1煎は好まれず、2煎が最も好まれたと考えられる。5.ほうじ茶、番茶などの下級茶の方がカフェイン及びタンニン濃度と苦み、渋み、旨味、好みとの間に正の相関関係があり、上質茶よりもカフェインやタンニン濃度によって味が左右されやすいと考えられる。一方、烏龍茶ではカフェイン、タンニン濃度と好みの間に負の相関があり、これらの濃度が高い場合は好まれない傾向にあった。
著者
斎藤 隆士
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, 1981
著者
板橋,雅子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, 1982-12-20

すんきの栄養学的効果を知る目的で、すんき漬法による試料とこれに類似する数種の漬け方の試料の成分をそれぞれ分析して以下の結果を得た。1)すんき漬法では漬種の有無に拘らず、原料中の粗たんぱく質の損失が非常に少ない。2)すんき漬と同様の漬込操作でも、食塩を5%添加すると粗たんぱく質のほほ半畳が失なわれる。3)漬込過程中に、原料中の遊離アミノ酸および粗たんぱく質の分解によるアミノ酸は漬汁中に溶出するが、乳酸菌による乳酸濃度が大であると、粗たんぱく質の分解が少ない上に、アミノ酸の漬汁中への溶出が抑制されるものと考えられる。
著者
板橋,雅子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, 1982-12-20

The "Sunki", a kind of Japanese pickles peculiar in Kiso district, Nagano pref. is pickled without salt under lower temperature (winter season), then dried and preserved throughout the year. And so, it is considered to be available for preserving green vegitables and for providing dietary fibers protecting so-called adult-disease. The auther studied the dietetic components of the Sunki and its pickling conditions concerning with sample A (produced in Ohtaki village, Kiso district) and sample B (prepared in our laboratory under strict temperature conditioning) obtaining following results. 1. Appearance and taste of the pickles ; sample A was inferior in comparison with sample B. 2. The pH of the pickling liquid ; Sample A increased acidity with passing time, otherhand sample B held neary nutral throughout period. 3. Free amino acid in the pickles ; sample B contained less than sample A. 4. Crude protein remaining in the pickles ; sample B contained more than sample A, and its quantity is almost equal to that in the raw greens. In conclusion, it was demonstrated that the strict temperature conditioning (about -5℃) is necessary for producing good Sunki.