著者
横山 宏太郎
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.14-19, 1976-07

第14次日本南極地域観測隊(1973-1974)のやまと山脈旅行隊は,以前からやまと山脈南西方に望見されていたヌナターク群を調査する支隊を編成した.この支隊は1973年12月13日から18日まで行動し,やまと山脈南西約30 km付近に7個のヌナタークを確認し,露岩上での天文測量(1点)および地形,雪氷,地質の調査を行った.これらのヌナタークのうち北北西に孤立する一峰はかぶと岳,他の六峰より成る山群は南やまとヌナターク群,天側点はくらかけ山,最高峰はくわがた山と命名された.天測によるくらかけ山の位置は72°00'30"S,35°13'30″Eである.ヌナクークの標高は1,986mから2,282 m, 氷床表面との比高はいずれも100 m から150 m 程度である.またこの地域において,深い溝を持つ氷の丘が南東から北西に連なっていることが確認された.その方向はこの地域の氷床の流動方向にほぼ一致すると思われる.

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