著者
D.A. Hodgson P. Convey E. Verleyen W. Vyverman S.J. McInnes C.J. Sands R. Fernandez-Carazo A. Wilmotte A. De Wever K. Peeters I. Tavernier A. Willems
出版者
国立極地研究所
雑誌
Polar science (ISSN:18739652)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.197-214, 2010-08

南極大陸の高緯度内陸部に位置するDufek Massifの湖沼と、そこに見られる生物を調査した。ここには二つのドライバレーがあり、地球上最南端の生物生息地となっている。優占する生物はラン藻で、その多様性は観察されてきた南極湖沼のどこよりも低い。緑藻、ケルコゾア類、バクテリアは存在するが、珪藻は風で飛ばされてきたと思われる一枚の殻が見つかっただけであった。コケ類を欠き、地衣類は一種類のみが見つかった。三種類のクマムシ、ワムシを含む後生動物は見いだされたが、節足動物と線虫は見つからなかった。これらの単純な動植物群集は、この地域のきわめて厳しい環境のために、低緯度南極に通常存在する要素のほとんどを欠く。
著者
菊地 光一 伊藤 惇 吉村 昇
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.80-98, 1985-03

筆者らは寒冷地における風力エネルギーの利用に関心を持ち, ここ数年来, 秋田工業高等専門学校屋上での風況調査および小型風車の試作, 実用運転などを行ってきた。秋田県は夏を除き, 移動性の高, 低気圧群が通過する緯度帯にあり, 冬は特に大陸高気圧の影響を強く受け, 西風が強く雪が多い。また, 日本海側にある本県は他都道府県, 特に太平洋側と比較して概して風が強いので, 筆者らは風力エネルギーの利用を強く念願していた。1982年11月, 風速7m/sで1kWのプロペラ型風力発電装置を設置する機会を得, 現在実用運転中であるが, 次のような項目について得られた成果を報告するとともに, 極地で風力発電を実施する場合の留意事項について述べる。(1)風車の安全性確認のための試験運転, (2)生活的環境への影響, (3)発生エネルギーの屋根雪処理への利用。
著者
田中 高史
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.89-107, 2014-07-31

私は第24次日本南極地域観測隊に参加し,昭和基地でのオーロラ観察から,サブストームを学んだ. 以来30年,そのとき観察したサブストームのイメージを数値シミュレーションで再現する研究を続けてきた.この研究では,まずM-I(magnetosphere-ionosphere: 磁気圏-電離圏)結合系全体を自己無どう着的に再現し,その部分としてサブストームの再現をめざした.はじめは観察されるサブストームの具体的な様相までは再現できなかったが,最近の高精度並列シミュレーションにより,当初の目標が達成された.これまでの磁気圏物理学の限界は,部分を見て全体を連想する点であったが,シミュレーション結果は3次元プラズマ,磁場,電流構造をすべて保持しており,それらの解析から,これまで連想していた磁気圏の全体構造と,それを反映するサブストームメカニズムのどこに誤りがあるか,わかるようになった.このためのキーワードはダイナモである.なお学術的な詳細は第2編に述べる.
著者
鮎川 勝 平沢 威男 国分 征 大瀬 正美
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1-42, 1975-03

The rocket launching facilities were inaugurated in 1969 and completed in 1971 at Syowa Station (60°00'S, 39° 35'E: geomagnetic lat. 69.6°S, long. 77.1°E). In the rocket range, about 500 m south-west of the main base: of Syowa, there are three buildings, namely a propellant magazine (10.4×6.Om), a radar-telemeter hut (14.4×6m) and an assembly shop (12×7.6m) connected with a turntable. A turntable (8 m in diameter) in the center of the launching platform is at the same level as the floor of the assembly shop. A rocket carriage can be moved on rails from the assembly shop onto the launching turntable. Rotation of the turntable and movement of the launcher are remote-controlled. An iron-grating box covered with a vinyl sheet is attached to the launcher for keeping the rocket warm. The box is air-conditioned. The rocket is assembled and tested in the assembly shop and transferred to the turntable. The whole launching system is capable of firing a rocket with a diameter up to 350 mm. A radar-telemeter system and the igniter and timer controlers are installed in the radar-telemeter hut. A radar-tracking system with a power of 10 kW is used to measure the azimuth angle, the elevation angle, and the direct range, as well as to record telemeter signals in two channels transmitted by PPM modulation. The receiving frequency of the telemeter system is 290 MHz and the data in 12 channels is recorded. The control system consists of an ignition controller, a timer controller, and a probe controller. These control systems were designed to be operated by a limited number of technicians. There are two types of single-stage sounding rockets, S-160JA and S-210 JA. Their specifications are as follows: [table] Butadiene solid propellant is used from the viewpoint of low temperaturecharacteristics. There is another type of rocket which will be used in the future; S-310JA type (payload 40kg, peak altitude 220km). These rockets were developed by the Institute of Space and Aeronautical Science, University of Tokyo. In order to fire the rockets at the moment when auroral activities begin to show a drastic increase at the onset of an auroral substorm, some considerations were needed in the procedure of the firings in the Antarctic severe natural environment. As a result of many considerations and trainings, the rocket could be fired within one minute after the receiving of the introduction in the rocket launching. The ground-based observations were consolidated at Syowa Station, assisting the direct measurements of physical quantities in auroras by means of the sounding rockets. The instruments to be used in the auroral observations are: all-sky camera (35mm, every 10s), auroral zenith photometer (4278 A), multicolour geomagnetic meridian scanning photometers (4278, 5577, 6300 A, H_β), high sensitive TV camera and VHP auroral radar. It was 10th February 1970 when the first launching of the sounding rocket was carried out at Syowa. Since then, four S-160JA type and nineteen S-210JA type rockets were flown during the period of the research program in 1970-1973. Objects of measurements were electron and ion densities, electric and magnetic fields, infrared and ultra-violet emissions, energetic paticles, X-rays and radiowave in aurora. Through the successful rocket flights, the significant information to reveal the physical nature of auroras was obtained. The present paper mainly reports on the progress of the research program by means of sounding rockets at Syowa Station in 1970-1973 concerning the transportation, the construction and maintenance of the launching facilities, arrangements of the rocket firing and tracking and the obtained results of the rocket flights. During the period of International Magnetospheric Study (IMS, 1976-1979), the rocket facilities will be reopened and more than twenty sounding rockets (S-310JA and S-210JA) are scheduled to be launched from Syowa Station.
著者
東野 陽子 神沼 克伊
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.190-195, 1998-07

1998年3月25日03時12分(UT)頃, 南極プレート内の62.876°S, 149.712°Eで, M_s8.0の巨大地震が発生した。昭和基地(SYO : 69°00′S, 39°35′E)からの問い合わせに対し, フランスのDumont d'Urville基地(DRV : 66°40′S, 140°01′E)では全員が揺れを感じ, 落下物もあったと言うから日本の気象庁震度階でIII∿IVに相当する。昭和基地では4時間にわたり連続して地震動が記録された。DRVの震央距離は670kmであるから, 日本の関東地震(1923年, M=7.9)を岡山付近で感じたことになり, 有感半径が700kmの関東地震と同じ規模かそれ以上の大きな地震だったことが分かる。この地震は南極プレート内で起こった初めてのM8クラスの地震であり, 南極大陸での初めての有感地震であった。
著者
辻本 惠 伊村 智
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.137-150, 2013-03-29

2009 年2 月15 日から23 日にかけて,オーストラリア南極局(AAD: Australian Antarctic Division,以下同様)で取り組まれている外来種持ち込み防止対策に関する調査を行った.(1)機材の管理,(2)装備品の管理,(3)積荷の管理,(4)観測隊員への教育の4 項目について施設見学やインタビューを行い,現場の状況と外来種持ち込み防止対策システムの全容を把握した.本調査により,AADでは南極における観測・設営活動に伴う外来種持ち込みの危険性を強く認識し,機材や装備品,積荷の管理から観測隊員への教育まで,細部にわたり包括的な外来種持ち込み防止対策を講じていることが明らかとなった.特にAAD で徹底されていた職員や観測隊員への教育活動は,我が国の南極観測事業においても極めて有効な手段であると考えられる.本調査結果を参考にした組織的な外来種持ち込み防止対策の立案により,昭和基地周辺の貴重な生態系の保全につながることが望まれる.

3 0 0 0 IR 南極の地名

著者
原田 美道
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1768-1776, 1964-02
被引用文献数
1

Japanese geographic nomenclature in Antarctica was decided by Japanese Promotive Headquarters of Antarctic Research Expedition (J.P.H.A.R.E.) in 1961, based on the policy of United States Advisory Committee on Antarctic Names. Until 1963 total 98 place names were decided by Antarctic Names Committee of Japan, Ministry of Education, and authorized by J.P.H.A.R.E. Those names are classified by First class, Second class and Third class generally. The provisional gazetteer will be published in the near future, in which all official names and their descriptions are contained. Place name lists are shown in Appendices 1, 2 and 3, and new names are located in Figs. 1, 2 and 3 respectively. Exact geographical positions are shown in the topographic maps which are being compiled by Geographical Survey Institute.
著者
奥野 淳一 三浦 英樹
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

南極周縁域の大陸棚の深度は,一般的な大陸棚の深度より著しく深いことが知られている.この原因は,南極氷床が地球表層における荷重として作用することで,その縁辺域を沈降させているという仮説がある.本研究では,地球の粘弾性的変形を考慮したグレイシャルアイソスタシーのモデルを用いて,南極氷床荷重を変動が大陸棚深度に与える影響を調査した.数値シミュレーションの結果,現在の氷床分布を表面荷重と仮定すると,南極縁辺域の大陸棚深度の異常を説明することができないことが判明した.しかし,過去に現在の氷床分布より拡大した時期があると仮定した場合,南極縁辺域の大陸棚深度異常を説明できる可能性を示した.
著者
巻田 和男
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.15-24, 1996-03

最近の地球磁気の研究によると, 地球磁場はこの1000年間に急速に減少しており, もし今の減少速度で減り続けると, あと1000年ほどで地球磁場がなくなってしまうと言われている。注目すべき点は, 南アメリカ周辺部において, 地球磁場の減少速度が特に著しいということである。この地域は南大西洋磁気異常帯として知られているように, もともと磁場強度が大変弱い所であるため, 今の減少速度で推移すると, この地域の磁場はあと400年余りで消失してしまう状況にある。ところで, 地球磁場はこれまで何回となく磁場反転を繰り返してきたわけであるが, 近い将来, 人類は大変弱い磁場環境におかれることが予想され, 更には, 地球磁場反転の場面に遭遇する可能性も考えられる。他方, 最近の人工衛星観測によると, 地球磁場が大変弱いブラジル周辺部において, 多量の高エネルギー粒子(数MeV以上の電子及び陽子)の入射が見られることが報告されている。これらの粒子は高度数十キロメートル付近まで降下し, X線を放射していることも知られている。今後, 地球磁場の減少が続くとすれば, これらの現象がますます顕著になっていくと予想される。ただ, これらの高エネルギー粒子やX線は厚い大気に阻まれ, 地上までは到達していないため, 地上の生態系に大きな影響を与えていないと思われる。しかしながら, 超高層大気中において, これらの高エネルギー粒子が様々な電磁現象(電磁波の発生や電子密度の変動等)を引き起こしていることが考えられる。また, 最近の観測では, 高エネルギー粒子の入射がオゾン層破壊を引き起こしているという報告もある。これらの状況より, 本研究は, すでに著しく磁場強度の弱いブラジル域において, 超高層大気の現状を調査することにより, 近い将来, 地球磁場が大変弱くなった状況下における地球環境を予測することを目的としている。
著者
成瀬 廉二
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.252-267, 1994-11

第34次南極地域観測隊は, 越冬隊(佐藤夏雄隊長)39名, 夏隊(成瀬廉二副隊長)16名で編成され, さらに交換科学者として, 中国から1名が越冬隊に, オーストラリアから1名が夏隊に参加した。砕氷艦「しらせ」は, 1992年11月14日東京港を出港し, 12月17日からリュツォ・ホルム湾の厚さ2∿3m強の定着氷に入り, 砕氷航行の後, 30日昭和基地に接岸した。12月18日から昭和基地へのヘリコプターによる輸送が始まり, 接岸後の氷上輸送, 貨油輸送を含め, 1993年1月中旬までに計960tの物資の輸送が完了した。昭和基地における夏期の建設作業は, 12月19日より2月9日までの間に管理棟内部設備等, 当初計画の工事をほぼ完了した。この間, 南極周回気球3機の打ち上げに成功するとともに, 重力絶対測定では600個以上の有効データが得られた。また, 大陸沿岸の露岩地域では正味43日間にわたり地質, 地形, 測地, 生物等の野外調査を, 氷床内陸では1カ月間の中継拠点往復デポ旅行を実施した。2月10日, 昭和基地最終便により第34次夏隊全員が「しらせ」へ帰着した。「しらせ」は2月13日流氷縁を離脱し, リュツォ・ホルム湾沖では4日間にわたり海底地形測量を実施し, その後19日から23日までアムンゼン・ケーシー湾にて露岩域の地学調査, 海洋生物観測, 3月2日から4日までプリッツ湾にて海洋生物観測を行った。生物観測では, トロール等により多種類の底生生物, 中層性魚類, プランクトン等が採集された。その後, 船上観測を行いつつ帰路につき, 3月21日にオーストラリア・シドニーに入港した。なお, 海洋停船観測は, 往路4測点, 復路11測点にて実施した。第34次夏隊は第33次越冬隊とともに, 28日シドニー発空路, 同日成田に帰着した。
著者
大野 義一朗 宮田 敬博
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.42-50, 2000-03
被引用文献数
1

1998年9月, 越冬中の各国基地医師にファックス, 電子メールを送り医療現状調査をおこない昭和基地と比較した。7基地から直接回答があり10ヵ国14基地の情報を収集した。医師数は日本隊が2名で他は1名であった。医師以外の医療従事者がいるのは1基地のみ。手術室のある基地は多いが実際に手術を行っている基地は少ない。集計死亡数76件のうち病死9%, 事故死72%, 不明19%。病死では急性心疾患が最多で, 事故死の73%が航空機事故だった。日本隊の死亡1名は実数でも比率でも少ない。その理由は隊員選抜の健康診断が有効に機能していてこれまで致命的な疾患が発生していないことと, 大陸間航空路がなく航空機関連事故が起きていないためと考えられる。昭和基地でも重症患者の救命に不可欠な緊急搬出用航空路をどのようにして安全に導入するかが課題である。
著者
永田 武 清水 吉雄
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.661-668, 1960-03

第1次および第3次南極観測隊派遣の際,古地磁気学研究の目的をもって,東オングル島昭和基地附近の先カンブリア紀の片麻岩(biotite horn-blende granodioritic gneiss)を方向をつけて採集してきた.これらの岩石の自然残留磁気(NRMと略す)の測定結果から,岩石生成時の地球双極子の方向を計算すると,Lat.=19°N,Long.=167°Wとなる.また,岩石の片理面が岩石生成時には水平面であったと仮定し補正しても,Lat.=3°N,Long.=107°Wとなる.いずれにしても岩石のNRMの方向から推定される地球双極子軸の方向は,西太平洋赤道地域にあったこととなり,先カンブリア紀以来,地球磁極(すなわち地軸も)および南極大陸相互は,広範な移動および回転をしてきたことが示された.この論文では,以上の結論を確認するため,岩石のNRMが岩石生成時から,そのまま保存されてきたかどうかというテストを実験室で行なった結果についても同時に示されている.
著者
本吉 洋一 勝田 豊
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.44-81, 2011-03-28

第51次隊は,越冬隊28名,夏隊34名,さらに同行者28名の合計85名で構成された.新南極観測船「しらせ」の就航に伴い,搭載ヘリコプターの更新や,コンテナ主体の輸送方式など,新しいシステムがいくつか導入された.「しらせ」は2009年11月10日に晴海埠頭を出航したが,その際,観測隊同行者5名が「しらせ」に乗船して出発した.それに先立ち,11月5日に設営先遣隊5名が成田空港を出発し,ドロンイングモードランド航空網(DROMLAN)を利用して,11月13日に昭和基地入りを果たした.また,11月10日には,セール・ロンダーネ山地調査隊のうち10名が成田空港を出発し,DROMLANを利用して11月20日までにプリンセス・エリザベス基地(ベルギー)に集結した.観測隊本隊は,11月24日に成田空港を出発,25日にはフリーマントル港にて「しらせ」に乗船し,外国人同行者も合流した.「しらせ」は11月29日にフリーマントル港を出航し,海洋観測を実施しつつ12月15日に氷縁に到着した.12月18日に昭和基地第一便が飛び,20日までに緊急物資および準備空輸,内陸ドームふじ旅行隊,沿岸調査チームの一部を送り出した後,「しらせ」は一旦昭和基地沖を離れクラウン湾に回航した.12月23日から25日までクラウン湾にてセール・ロンダーネ山地調査隊の隕石チーム5名と物資を送り出した後,「しらせ」は再び昭和基地を目指した.例年になく厚い氷と積雪に苦労したが,1月10日に昭和基地接岸を果たした.以後,2月13日の昭和基地最終便までの間,第51次越冬成立に必要な物資と越冬隊員の交代を滞りなく完遂した.昭和基地および周辺露岩域では,無人磁力計ネットワーク観測,南極湖沼における生物観測,GPS観測・重力観測などが実施された.設営系では,「しらせ」の輸送システムに対応したコンテナヤード整備作業,自然エネルギー棟基礎工事,電離層40mデルタアンテナ建設,第1廃棄物保管庫・仮作業棟解体工事などが実施された.なお,「しらせ」の昭和基地接岸が遅れたこともあり,昭和基地での一部の夏作業は実施することが出来なかった.第51次隊は,昭和基地方面での活動の他に,セール・ロンダーネ山地およびドームふじ基地方面での野外オペレーションも実施した.セール・ロンダーネ山地地学調査隊は,DROMLANを利用して地質・地形チームが11月中に現地入りした.その後,「しらせ」によって隕石チームが12月下旬に合流し,ベルギー隊の隊員も含め,合計17名が山地内に展開した.調査終了後,地質チームはDROMLANにより帰国の途につき,2月15日に成田空港に帰国した.地形・隕石チームは,2月2日にDROMLANによりS17経由で「しらせ」に収容された.内陸ドームふじ旅行隊は,第50次越冬隊3名を含む合計8名で構成され,12月19日に「しらせ」からS16に移動,22日にS16を出発しドームふじ基地を目指した.1月8日にドームふじ基地に到着,以後1月25日まで浅層氷床掘削やコア搬出を行いドームふじ基地を出発,2月11日にS16から「しらせ」に収容された.「しらせ」は2月13日に第51次夏隊・同行者および第50次越冬隊を乗せて昭和基地を離岸し,以後,アムンゼン湾リーセル・ラルセン山,ケープダンレーでの観測,さらに中国・中山基地訪問などを実施した後,3月17日にシドニーに入港した.観測隊は3月19日成田空港に帰国した.「しらせ」は4月9日,晴海埠頭に帰港した.

2 0 0 0 OA 極地研NEWS 187

出版者
国立極地研究所
雑誌
極地研NEWS (ISSN:13476483)
巻号頁・発行日
no.187, pp.1-16, 2008-09
著者
松田 達郎
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1755-1767, 1964-02

The writer tried to investigate the social life of the wintering party of the 5th Japanese Antarctic Research Expedition. 1. The relation between the kinds of recreation or play of the wintering members and their working hours was studied. The members having night duty had less kinds of recreation or play than the other members. 2. The words in vogue were recorded and their origins were analysed. It was known that the word in vogue originated mainly from the favorite saying or a slip of the tongue made by a party member. 3. The nickname related to the age of the party member. The youger members were apt to be called frequently by their nicknames. 4. It was recognized that at meals the age of the member and his working hours related to the sitting position at table. The position of the member was generally arranged in the order of the age of the member and it was noted that the position of the member having night duty was not stable. 5. Psychological experiment was tried by food-test. The cakes or confections sufficiently prepared on the table were taken casually by about 45% of party members who happened to be present at tea time.