著者
倉沢 一
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
no.58, pp.p204-234, 1977-03

南極の火山の分布は,後期新生代に関して,いわゆる造山帯の傾向あるいは歴史と同様な特徴をもっている.南極のマリー.バードランドとビクトリアランド地域はアルカリ岩系の岩石区の特徴をもって,さまざまな変化をみせている.南極半島地域の南シェトランド諸島は玄武岩〜安山岩の組み合わせで,Na成分に富むとはいうものの,それらの性質からは,アルミナに富む高アルカリソレアイト系列に属すると考えられる.ストロンチウム同位体組成などから,ロス島火山岩類は,大陸に隣接していながら,ホット・スポットという意味をもって,海洋島のそれらによくにた性質をもっているという結論がえられた.同位体地質学的あるいは化学的性質から,南極地域の火山および火山岩類を検討した.

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