著者
若尾 良徳
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.47-58, 2004-03-24
被引用文献数
2

本研究の目的は,青年期の自己報告型のアタッチメントスタイルが不安喚起場面での親密な他者との行動に現れるのかを検討することである。自由な相互作用が可能な場面でなく,パートナーの有効性が疑われる分離再会状況において,行動はアタッチメントに関連した組織化がなされ,アタッチメントスタイルとの関連が見られる可能性を検討した。恋愛関係または友人関係にある18組(恋愛関係9組,友人関係9組,男性13名,女性23名)が実験に参加した。参加者の平均年齢は,22.03歳であった。参加者は,不安やストレスを感じた状態で,待合室と称した実験室において,パートナーとの相互交渉および短い分離と再会を経験した.その後,アタッチメントの個人差測定尺度を含むいくつかの質問紙に回答した.彼らの実験室での行動はVTRで撮影され,2名の評定者により評定された.その結果,自由な相互交渉が可能な場面からはアタッチメントに関わる行動の組織化は見られなかった。それに対して,分離再会場面においては,アタッチメントに関連した行動の組織化がなされており,自己報告との関連が見られた。青年のアタッチメントの個人差は,乳幼児と同様に,親密な他者との分離再会における行動に現れることが示された.

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