著者
小泉 忠由 伊東 誼 益子 正巳
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.338-343, 1980-03-05
被引用文献数
1

本研究はボルト結合部の正負方向に繰返し接線方向荷重を作用させ結合面の接線方向変位を減衰能と密接に関係するヒステリシスループに重点をおき実験的に検討している。実験結果によるとヒステリシスループの面積は振幅のn乗に比例し、nは1.8〜2.8くらいの値を示す。このnの値から結合面の減衰特性が振幅依存性を示す指数関数的な減衰振幅を示すことが説明できる。また、接線方向荷重速度を変えることにより微小すべり域の速度特性を検討し、荷重速度の増大とともに微小すべりも増大し、ヒステリシスループの面積が大きくなることを確認し、予すべり域においても従来の摩擦特性と同じ挙動を示すことを確かめている。また、ヒステリシスループの挙動から結合面の減衰特性を検討し、かつボルト結合部の減衰能を等価粘性減衰定数の値として求め、ヒステリシスループを用いることにより、ボルト結合部の減衰能をある程度推定することができることを示している。

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