著者
長山 正義 バーカーン ロナルド ヒューゴ
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.1087-1092, 1987-05-01
被引用文献数
4

雄ラットの低栄養状態下で,結腸を切除,吻合し,種々の濃度(5%,10%,15%,20%)でモノアセトアセチン(Ma群)およびブドウ糖(G群)を用いたTPNの効果を比較検討した.術後5日目の体重はG群,Ma群で,投与カロリー量が同じ群ではほぼ同様の値を示した.血清Acetoacetate,β-hydroxybutyrateは5%Maを用いたM5群を除いてMa群で高値を示した.NバランスはMa群が全体的に良好な傾向を示し,特にM5群と5%Gを用いたG5群で統計的に有意差がみられた.吻合部腸管耐圧力はMa群ではほぼ一定の値を示し,M5群とG5群の比較ではM5群が有意に高値を示した.以上の成績からMaは低栄養,ストレス下のラットにおいては,有効なエネルギー源であることが示唆された.

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