- 著者
 
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             松本 文夫
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 一般社団法人日本消化器外科学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.19, no.8, pp.1743-1752, 1986-08-01 
 
          
          
          
        
        
        
        閉塞性黄疸27例につき PTCD 後の胆汁中胆汁酸を測定し, 10例につき胆汁酸 (CDCA) 負荷試験を行って, 減黄効果や臨床経過と比較検討した. 胆汁中総胆汁酸排泄量は, 黄疸例は非黄疸例にくらべ低値をとり, また, 減黄効果および胆汁中ビリルビン量と正の相関がみられた. 胆汁中胆汁酸が 0.5mg/ml以下, 300mg/day 以下では予後不良で, 重篤な肝障害が示唆された. 胆汁酸負荷による血中消失曲線をみると, 非黄疸例, 減黄良好例, 減黄不良例の相違が的確にとらえられ, 減黄不良では抱合型胆汁酸の直線的増加が特徴で, 肝からの排泄障害の残存が推測された, PTCD 後の減黄効果を早期に予測するうえで, 胆汁酸負荷試験の成績は良い指標となること考えられた.