著者
松本 由朗
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.614-623, 1986-03-01
被引用文献数
2

過去15年間に経験した胆道疾患約1,500例について,胆道の画像診断,胆道シンチグラフィおよび臨床所見の総合的解析から,胆道および肝臓,膵臓疾患のなかには,その成因として胆道の形成異常が大きく関与していることを実証した.胆道形成異常は先天性総胆管拡張症と膵管胆道合流異常であり,これらの形態上の新しい定義を提唱し,機能面からも胆管拡張症は胆管内胆汁うっ滞を,合流異常は十二指腸乳頭部における胆汁の通過障害を来すことを明らかにした.その結果胆道の形成異常の存在のみでは機能障害は存在しても臨床症状の発現に至らないことが証明され,加齢,炎症などの後天的要因の関与によって初めて臨床症状が発現することを明らかにした.そして胆道形成異常は胆管結石症,肝内結石症,急性肝炎および肝内胆汁うっ滞型肝障害発生のhigh risk stateであることを提唱した.

言及状況

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こんな論文どうですか? 胆道の形成異常とその臨床,1986 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001356362 過去15年間に経験した胆道疾患約1,500例について

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