著者
藤吉 康志 村本 健一郎
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.343-353, 1996-06-25
被引用文献数
6

暖めたケロシン中で雪片を融解させ, その際形成される水滴の粒径分布を調べた. この実験結果を基に, 雪片の融解分裂過程が, 雨滴の粒径分布に与える効果について考察した. 合計50個の融解前の雪片について, その最大直径, 断面積, 質量も同時に測定した. 1つの雪片から生じる水滴の総数は, 雪片の質量と最も相関が高く, 少なくとも質量が3.0mg以下の場合には, 平均的な水滴の個数は質量と共に直線的に増加した. ただし, 質量が同じでも形成される水滴の粒径分布には大きなバラツキがあった. 生成された水滴の平均粒径分布は, 質量が1.0mg以下の場合は指数関数で, 2.0mg以上の場合はガウス分布で近似出来た. 初めGunn-Marshall型の粒径分布をしていた雪片が, ここで得られた実験式にのって融解分裂したと仮定すると, 得られた雨滴の粒径分布の勾配はMarshall-Palmer分布の勾配と極めて良く一致した.

言及状況

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こんな論文どうですか? 融解雪片の分裂が雨滴の粒径分布に及ぼす効果(藤吉康志ほか),1996 http://id.CiNii.jp/HkLvL

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