著者
中西 幹郎 原 由紀男
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.91-103, 2003-02-28
参考文献数
11
被引用文献数
9

夏の午後に短時間強雨をもたらす熱雷・界雷性の降水系の降雨が,東京都市部(23区を想定)で強くなることがあることに注目し,23区でその周辺よりも降雨が強まった日(強化日)とそうでなかった日(非強化日)を比較して,23区での降水系の降雨強化に結びつく局地風の特徴を調べた.強化日,非強化日ともに,23区で降雨が始まる2時間前,鹿島灘からの東寄りの風と相模湾からの南寄りの風の少なくとも一方が吹いていた.このような海風系の局地風により,強化日には23区に強い収束が継続し,降雨開始時刻になると急速に増強した.このとき,強化日6件中4件で,降水系に伴う局地風すなわち冷気プールからの発散風が確認できた.非強化日には強い収束があっても継続せず,発散風があっても収束の増強は確認できなかった.降雨開始前の海風系の局地風による強い収束の継続と降雨開始頃の主に発散風による収束の増強が,23区での降水系の降雨強化に結びつくことが示された.

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RT @ronbuntter: こんな論文どうですか? 東京都市部に短時間強雨をもたらした降水系の降雨強化に結びつく局地風の特徴,2003 http://ci.nii.ac.jp/naid/10013700556
こんな論文どうですか? 東京都市部に短時間強雨をもたらした降水系の降雨強化に結びつく局地風の特徴,2003 http://ci.nii.ac.jp/naid/10013700556

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