著者
外村 彰
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.616-624, 1987-07-05

アハラノフ-ボーム (Aharonov-Bohm) 効果は, ベクトル・ポテンシャルの実在性, 物理法則の局所性, 多重連結空間での波動関数の一価性といった量子力学における基本的な問題を内包しているため, 30年にもわたってさまざまな議論が展開されてきた. 最近のゲージ理論の登場によって, ベクトル・ポテンシャルがゲージ場として理解されるようになり, その重要性が増したこともあって, 議論は効果そのものの存否にまで及んだ. 検証実験も既にいくつか報告されているが, 電子線と磁場が重畳している可能性があるとして疑問が投げかけられていた. しかし, 最近の筆者らの実験によって, 論争は新たな局面をむかえた.

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