- 著者
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加藤 正昭
- 出版者
- 一般社団法人日本物理学会
- 雑誌
- 日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.2, pp.119-126, 1985
強い相互作用から重力までのすべての相互作用を統一する理論をつくることは, 素粒子論の夢である. この夢の実現を目指す有力な指導原理がカルツァ・クライン理論である. この理論では, 時空は4より大きな次元をもつという一見現実ばなれした仮定をおき, 素粒子の内部対称性を, 拡張された時空の幾何学的な対称性に帰着させる. この理論の基本的な考え方と, 現在ぶつかっているいくつかの問題点を紹介する.