著者
川上 宏金 大島 隆義
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.p429-436, 1988-06

粒子, 反粒子変換に対して非対称性を有し, かつ, その質量はあっても電子の〜10^<-5>以下と極端に軽いにもかかわらず, この広大な宇宙の将来を左右するかも知れないと予想されている素粒子 "ニュートリノ" の質量について考えてみよう. その質量をオーソドックスな原子核分光法で測定することにより, 素粒子物理学と宇宙物理学の先端的問題に迫ることができる. 1980年ソ連グループが有限のニュートリノ質量値(14〜46 eV)を発表して以来, また, 最近超新星爆発によるニュートリノを人類が初めて検出したことにより, その質量の有無は重大な関心事となっている. そして現在世界の10カ所以上で^3H線源を使ったニュートリノ質量の直接測定実験が遂行, 又は準備されている. ここでは, 主に日本で行われている実験について紹介し, 外国の例と比較しながら解説する.

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