著者
中村 卓史 山崎 了
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.271-280, 2005-04-05
被引用文献数
5

ガンマ線バーストとは, 1日におよそ1回の頻度で典型的には250keV程度のガンマ線が約0.01∿300秒間観測される天体現象である.ガンマ線バーストの正体は, その発見以来長らく未解明であったが, 最近になって, 理論と観測双方の発展により除々に明らかになりつつある.現在の標準的理解では, ガンマ線バーストは主に宇宙論的距離(100億光年以上の彼方)で発生し, エネルギー放出率は宇宙のすべての銀河の明るさを合わせたものと同じかそれ以上にのぼり, 中心天体から何らかのプロセスで放出された相対論的ジェットがガンマ線放射を行うと考えられている.本稿では, ガンマ線バーストの研究の歴史に沿いながら, どのようにして現在の標準的な描像が得られたか解説し, さらに宇宙論への応用などの, ガンマ線バーストに関する話題をいくつか紹介する.

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こんな論文どうですか? ガンマ線バースト : 現代宇宙物理学での最大の謎(中村卓史ほか),2005 http://id.CiNii.jp/IswrL

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