著者
太田 信義
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.616-623, 2005-08-05

標準的な宇宙模型によれば, ビッグバン後の宇宙初期にはインフレーションと呼ばれる大きな宇宙膨張の時期があったと考えられている.この振舞は一般相対論と素粒子の理論を用いて説明されるべきものと考えられるが, 超弦理論あるいはその現代版であるM理論ではそのような振舞は許されないという禁止定理がある.本稿では, インフレーションの概略をまとめた後, この禁止定理はどのようなものかを説明し, それを乗り越えて最近進展したインフレーション宇宙の現状について解説したい.

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