- 著者
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村瀬 嘉夫
加藤 悦朗
- 出版者
- 公益社団法人日本セラミックス協会
- 雑誌
- 窯業協會誌 (ISSN:18842127)
- 巻号頁・発行日
- vol.86, no.993, pp.225-229, 1978-05-01
- 被引用文献数
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Zr(OH)<sub>4</sub>について沈殿の生成条件, 乾燥条件, 試料の形状及び熱処理ふん囲気などが熱分解により生成するZrO<sub>2</sub>の結晶構造に与える影響を検討し, 水蒸気の作用について新しい知見を得た. Zr(OH)<sub>4</sub>沈殿の生成条件は結果にほとんど影響を与えない. 沈殿の乾燥に長時間を要すると乾燥完了までの沈殿の老化 (γ化) のために熱分解後のZrO<sub>2</sub>に単斜結晶の量が増大する. 塊状試料の熱分解や昇温速度の小さい熱分解では沈殿の老化 (γ化) や自ら発生する水蒸気の影響をうけやすく単斜ZrO<sub>2</sub>の結晶量が増大する. Zr(OH)<sub>4</sub>を水蒸気中で熱処理すると単斜ZrO<sub>2</sub>が結晶化し, 水蒸気の少ない減圧下では正方ZrO<sub>2</sub>のみが結晶化する. この水蒸気の影響は無定形ZrO<sub>2</sub>の生成過程よりそれからの結晶化過程において顕著である. この結果から水蒸気中では正方と単斜ZrO<sub>2</sub>の表面エネルギーの差が小さくなると考えられる.