- 著者
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門間 英毅
金澤 孝文
- 出版者
- 公益社団法人日本セラミックス協会
- 雑誌
- 窯業協會誌 (ISSN:18842127)
- 巻号頁・発行日
- vol.84, no.968, pp.53-57, 1976-04-01
- 被引用文献数
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50
102
α-燐酸カルシウムの水和反応が塩基性液中, 100℃以下で生じることを見出した. 反応は温度およびpH低下とともに遅くなり, 室温およびpH約5以下ではほとんど進行しなかった. 水和反応生成物は硬化体として得られた. 十分に水和させた生成物は, Ca/Pモル比=1.5のカルシウム欠損水酸アパタイトであると同定された. このアパタイト中には水分子, OH<sup>-</sup>およびHPO<sub>4</sub><sup>2-</sup>のHとして約4.7%の水成分が含まれていた. アパタイト構造は700℃までの加熱によって全含有水分の約75%を揮発させても安定であった. このときHPO<sub>4</sub><sup>2-</sup>の消滅とP<sub>2</sub>O<sub>7</sub><sup>4-</sup>の生成とが確認された. 残りの水分は, OH<sup>-</sup>の除去とβ-燐酸カルシウムの生成とを伴って, 755℃で急激に放出された. アパタイト-燐酸カルシウム分解反応の見掛け活性化エネルギーは65kcal/molであった.