- 著者
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川勝 正治
Rovasio Roberto A.
- 出版者
- 日本動物分類学会
- 雑誌
- 動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
- 巻号頁・発行日
- no.48, pp.7-23, 1992-12-25
Dugesia ancepsはBORELLI(1895)がパラグアイからPlanaria dubiaとして最初に報告し,続いてBOHMIG(1902)がアルゼンチン東部から報告した種類であるが,KENKによって上記の種名に修正された.最近,CAZZANTGA and CURINO(1987)が再記載したが,やや不完全な点もあり,本稿ではコルドバ産(アルゼンチン中部)の材料に基づいて詳細な分類学的再記載を与えた.生時の体長は15-18mm,体幅1.5-2.5mm.黒褐色,中等度に発達した耳葉を持つ.精巣は腹位で多数,陰茎基部は球形で,陰茎基部腔は分離,相称形の陰茎突起部は円錐形で,単一射精管が開く.交接のうは中等度の大きさで,交接のう柄の筋肉層は厚く,腔も発達している.卵殻は球形で,糸状の柄がある.南米産の近似種について,分類学的考察を加えた.