- 著者
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今井 孝成
飯倉 洋治
- 出版者
- 一般社団法人 日本アレルギー学会
- 雑誌
- アレルギー (ISSN:00214884)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.10, pp.1006-1013, 2003
- 被引用文献数
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目的 食物アレルギーの臨床は混乱している.これは詳細な病態生理が未だ不明であることはもちろん,その疫学データが少ない点も一因となっている.我々は今後の基礎研究,臨床診療に寄与することを目的とし,即時型食物アレルギーに関する全国疫学調査を行った.方法 国内100床以上で小児科を有する病院2689施設に対し,"何らかの食物摂取後60分以内に症状が出現し,かつ医療機関を受診したもの"を対象とし調査分析を行った.結果 回収率は60.4%で,該当症例のあった498施設の1420症例を対象として検討した。平均年齢は6.7歳±13.1 (平均±標準偏差)であった.頻度の多かった原因食品は鶏卵,乳製品,小麦であり,以下ソバ,魚類,果物類,エビが多かった.症状は原因食品摂取後24.2分±19.4(平均±標準偏差)で出現し,皮膚,呼吸器症状が多く見られた.結論 本結果を基に厚生労働省はアレルギー表示制度に関する省令を一部改正し,卵,乳,小麦,ソバ,落花生の表示を義務化した.