著者
中村 晋
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.169-181,234, 1970

近代大学あるいは病院にアレルギー疾患の疹療を系統的に行なう目的でアレルギークリニックが設置されるようになった.われわれの国立静岡病院アレルギーセンター開設以来5年間の来院患者総数は1183名で, うち気管支喘息653名, アレルギー性鼻炎126名, 蕁麻疹306名, その他98名であつた.年次別にみると毎年増加の傾向が認められ, 年令別にみると気管支喘息で小児が全体の半数を占めるのが注目される.住所別集計をみると大半は静岡市及びその周辺であるが気管支喘息では隣接県はもちろん, 遠隔の地からもより適切かつ効果的疹療を求めて患者が来院している.著者は本邦各大学の内科, 小児科, 耳鼻咽喉科, 皮膚科教室を対象にアレルギークリニックに関するアンケート調査を行なつた結果回答が得られた183教室中69教室にアレルギークリニックが設置されていることがわかった.独立の診療室を有するものは少く, 大部分は一般外来疹療終了後同一場所で週1〜3日疹療を行なつており, 専任医師が配置されているのは37教室である.アレルギークリニックを有する教室の殆んどはアレルギー関係の研究テーマを掲げており, 診療と研究とが密接な関係を有すると思われる.国立病院及びその他の一般病院に対しても同様の調査を行なつたところ回答を寄せた国立病院71施設中19施設, 一般病院33施設にアレルギークリニックを有し, 大部分のものは大学との技術提携を有することがわかつた.アレルギークリニックはかくて時代の要求に応じ, 地域社会に著しい貢献をしているが, なおアレルギークリニック過疎地帯も少なく, 患者数の増加にも拘わらず全国のallergistの絶対数不足が目立ち, このため診療日も週3日以内に止めざるを得ないところが多く, 診療日には多数の患者の診療に忙殺されているのが現状で, 今後更に充実と発展がのぞまれる.臨床面からまずallergistの養成が急務であり, 医療法上アレルギー科の独立もぜひ実現させねばならない.

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