著者
中村 晋
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.378-385, 1996
被引用文献数
9

著者は花粉抗原への感作と発症との関連を調べる目的で大学生における杉花粉症の頻度調査を実施してきた. 今回は1988年以来7年間に得られた成績を綜括報告する. 新入生における特異抗体保有率は1988年には27.4%で, 1989〜1993年には32.0〜38.1%のlevelを維持した. また有病率は1988年には12.0%, 1989〜1993年には15.5〜17.4%のlevelにあった. しかし1994年にはそれぞれ29.3%, 14.7%と低値を示しこれは前年の異常気象による花粉飛散の減少と関連するものと考えられた. 著者はさらに在学中の特異抗体保有率と有病率の推移についても調査を行った. 1990年以前の入学者では4年次のこれらの頻度は明確な上昇がみられた(抗体保有率38.6〜43.0%, 有病率23.1〜24.9%)が, 1991年入学者においては花粉飛散の減少との関連で1994年には有意の低下がみられた.(抗体保有率25.2%, 有病率13.6%) これらの調査結果から花粉症の症状発現は花粉抗原への曝露の多寡と直結することが結論された.

言及状況

外部データベース (DOI)

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こんな論文どうですか? 大学生における杉花粉症の頻度並びに在学中の有病率の推移に関する7年間の調査成績,1996 http://ci.nii.ac.jp/naid/110002418316

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