著者
高橋 由利子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1244-1255, 1996
参考文献数
15
被引用文献数
3

そばアレルギーは, そばの摂食・吸入により蕁麻疹, 喘鳴, 呼吸困雄, アナフィラキシーショック等の即時型症状を呈する疾患で, I型アレルギー反応の関与がその発症機序とされる. 今回3〜34歳のそばアレルギー患者血清を用いてそば蛋白に対する免疫応答性の解析を試みた. そばIgE-RAST値のスコアが2以上の陽性であった被験者血清の比率は, 患者では80%, 症状は認めず検査のみ陽性のRAST陽性対照者では66.6%, RAST陰性対照者では0%であった. そば粉より抽出したそば蛋白を抗原としELISA法で測定したそば塩可溶性, 塩不溶性分画に対するIgG抗体価は, 患者血清・RAST陽性対照血清で有意に高値であった. IgG-イムノブロット法では, 塩可溶性分画では10本, 塩不溶性分画では6本のバンドが検出され, IgE-イムノブロット法では, バンドパターンが検体ごとに異なった. 以上からそばアレルギー患者ではIgE抗体のみならずIgG抗体の上昇を認め, そば蛋白に対する免疫応答全般の活性化が認められた. しかし症状の発現にはその他の因子の関与も考慮する必要のあることも示唆された.

言及状況

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