- 著者
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藤井 澄二
- 出版者
- 一般社団法人日本機械学会
- 雑誌
- 日本機械学會誌 (ISSN:00214728)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.400, pp.298-301, 1952-05-05
高速回転機械において, 偏心質量による共振の振幅を小さくし, 内部摩擦, 軸案内と軸との間の表面摩擦, 軸受の油膜などによって生ずる自励的な軸振れを防止することは重要な問題である.このような軸振れの問題において, 回転軸の軸振れに対する抵抗はその性質にしたがって異った役割を務める.ある抵抗の場が軸の固有振動率よりも高い速度で回転するならば, その抵抗は軸の振動に対して制振作用を持たないのみか, かえって励振的に働くからである.したがって各種の抵抗の場が軸の回転にともなってどのような回転速度で回転するかを知っておかねばならない.また軸振れの制振のためには, 抵抗場の回転しないような抵抗を軸系に与えることが必要でありかつ有効である.