著者
小林 治夫
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.323-327, 1983

ニワトリの雛は孵化後ただちに視覚的に隔離され, 12時間後に電動の犬の玩具に露出された。最初の露出の翌日から5日間, 1日1回4分間, 雛鳥は円形台上におかれ, 追尾反応が我々の工夫した規準に従って評価された。その評点に従って雛鳥は均質な二群(一方は実験群, 他方は統制群)に分けられた。つぎの7日間, 両群は再認テストを受けた。そして実験群に対しては1日1回, 2分間の玩具の犬に対する露出2回(再認テスト1および再認テスト2)と, その2回のあいだに1分間の玩具の犬の隔離をはさむ再認テストを受け, 追尾反応が規準に従って評価された。統制群は1日1回4分間の隔離なしの露出の再認テストを受けた。その結果, 実験群では再認テスト1よりも再認テスト2の方がアタッチメント行動の程度が強かった。また2日目以後には実験群の再認テスト1の方が統制群のそれよりも強かった。この結果は, アタッチメント行動は学習の結果生じる可能性を示唆するDepaulo, P.らの報告と一致しない。

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