- 著者
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吉野 佳一
- 出版者
- 杏林医学会
- 雑誌
- 杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.1, pp.13-17, 1975
飲酒の翌朝から発現し, 約1カ月で完全に消失した両側性MLF症候群の1例を報告した。経過中, 右顔面神経麻痺, 左外転神経麻痺および右上下肢のしびれ感など橋被蓋の障害を示す神経症状の一過性出現も認められた。本例ではアルコールの習慣的飲用はなく, 1回の比較的多量の飲酒が発病になんらかの影響を及ぼしたことは考えられるが, 病因としては多発性硬化症の可能性が最も多いと推定した。