著者
田代 正之
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.110, pp.319-329, 1978-06-30
被引用文献数
3

熊本県天草郡竜ケ岳町の姫浦層群の下部亜層群下層部より産する二枚貝Atreta intuleavis, sp. nov., Pycnodonte amakusensis, sp. nov., Thyasira (Thyasira) himedoensis, sp. nov., Chlamys (s.l.) tamurai immodesta, subsp. nov.の4属3新種1新亜種を記載した。そのうちAtreta, Pycnodonte, Thyasiraは, 本邦中生界では, おそらく最初の記載である(但し, Pycnodonte? sp., HAYAMI 1975 ; Thysira sp., TASHIRO 1976を除く).なおAtretaの所属については, PlicatulidaeとDimyidaeのどちらに加えられるか疑問な点があったが, 今回, 前者に属することが判明した。PycnodonteやThyasiraは, アフリカ, ヨーロッパ, 北アメリカでは, カンパニアン以降にその発達が顕著であるが, 本産地は, サントニアンの下部とされているので, 姫浦層群産のPycnodonte, Thyasiraは, 古い形態を示すものとして興味深い。また, Chlamys (s.l.) tamurai, Chlamys (s.l.) tamurai immodestaは, Camptonectes, Camptochlamysの中生代型のPectinidsとEburneopecten, Palliolumの新生代型のPectinidsの双方にそれぞれ共通する表面装飾を有する点, 分類学上, 極めて, 興味あるものである。

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