- 著者
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友澤 和夫
- 出版者
- 経済地理学会
- 雑誌
- 経済地理学年報 (ISSN:00045683)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.4, pp.323-336, 2000-12-31
- 被引用文献数
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14
本稿は, 1990年代の欧米工業地理学の特徴を, (1)産業集積を最大の関心事とすること, そして(2)それを把握する分析軸が従来の生産システムを主としたものから, 知識やイノベーションの役割とその創出過程を重視した, いわば学習システムの視点を持ったものに変化していることと捉え, 当該分野の研究動向の把握を行った.ローカルミリュウ論, 学習地域論, そして集団的学習過程論の3つを取り上げ, 方法論的特性や分析視角のオリジナリティ等を論じるとともに, 若干の批判的コメントも施した.ローカルミリュウや学習地域は, 「産業地区」がいわば進化した形態と捉えられ, ローカルな不確実性低下機能やイノベーション能力を有している.知識経済化の下では, 産業集積はこうした側面を強めると考えられ, わが国の工業地理学においても理論面での消化・吸収と実証研究の遂行が必要であることを主張した.