著者
Kyeremeh Ampaabeng Gyedu 菊本 敏雄 荘 敦尭 郡司 祐一 高原 吉幸
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.171-176, 1999-04-25
被引用文献数
1

銅剤の減農薬に資するため, 銅剤との併用可能な銅耐性微生物農薬の開発を目的として開発中の3菌株を親菌株として用いた。軟腐病菌の鑑別と選択性を加味した変法PDA培地を考案した。供試菌の懸濁液(1O^10 cfu/ml) l mlをペトリ皿にとり, 硫酸銅加用変法PDA培地(1.3〜3.l mM)を流し込み, 硫酸銅耐性の自然突然変異菌を分離した。この操作を硫酸銅の濃度を上げながら3回繰り返し, 3.8〜6.3 mMの硫酸銅加用PDA培地に生育する菌株を分離することができた。銅耐性は分離操作を繰り返すごとに漸増した。これらの硫酸銅耐性菌株のバクテリオシン活性を確認したのち, 銅水和剤, ジチアノン・銅水和剤, および有機銅水和剤に対する耐性を調べた。そして前記の操作を繰り返し銅剤耐性菌の分離を試みた。ジチアノン・銅水和剤, および銅水和剤(水酸化第二銅)耐性菌を分離することはできなかったが銅水和剤(塩基性硫酸銅)では500倍, 有機銅水和剤では250倍の希釈になるよう調整したPDA培地に生育する耐性菌が分離できた。この有機銅水和剤耐性菌とその親菌株を用い, 有機銅水和剤の600, 1200および1800倍の水溶液中における生存率を比較した結果, 生存率は明らかに耐性菌の方で高くなった。

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こんな論文どうですか? ハクサイ軟腐病に対する銅剤耐性拮抗菌の作出(KYEREMEH Ampaabeng Gyeduほか),1999 http://t.co/SPShnCIC

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