著者
景山 幸二 宇井 格生
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.148-152, 1983
被引用文献数
2 7

北海道立北見農業試験場の連・輪作試験圃場でインゲンおよびダイズの連作障害に関係するとされる<i>P. myriotylum</i>と未同定の<i>Pythium</i> sp. (<i>Pythium</i>sp. A)とについてそれらの宿主範囲および分布を検討した。<i>P. myriotylum</i>は,輪作区に栽培されるエンバク,テンサイ,ジャガイモ,コムギ,アカクローバのうちテンサイのみに強い病原性を示し,マメ科作物ではエンドウ,アズキ,ダイズ,インゲンに強い病原性を示したが,品種によりその程度は異なった。<i>Pythium</i> sp. Aは,テンサイに対し,またマメ科作物ではエンドウ2品種,ダイズ1品種,インゲン3品種に強い病原性を示した。網走支庁管内19か所および帯広1か所から生育の劣ったインゲンを採取し,根から<i>Pythium</i>属菌を分離したところ,1か所から,<i>P.myriotylum</i>, 7か所から<i>Pythium</i> sp. Aが得られた。<br>北見農業試験場の連・輪作試験圃場5区,網走支庁管内17か所,伊達1か所,帯広1か所の各種作物の畑地より土壌を採取し,ライムギ苗を用いて間接分離を行った。その結果,<i>P. myriotylum</i>はいずれの土壌からも分離されず,<i>Pythium</i> sp. Aは3か所から分離された。以上の結果から,<i>P. myriotylum</i>と<i>Pythium</i> sp. Aは宿主範囲および分布ともに狭い種と認められる。

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