著者
近藤 光子
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.401-405, 2005

気管支鏡を介して, 気管支内に生理食塩水を注入し, 肺胞や末梢気道レベルを洗浄し, その回収液の細胞成分や液性成分を解析する方法で, 反復して施行することも可能である. 1970年代に開発され, 1980年代にびまん性肺疾患に対する有用性が確立された. 1990年代にはBALのガイドラインが示され, 標準化がなされるようになってきている. 現在, びまん性肺疾患の診断, 病態解析などに広く用いられている. 通常の気管支鏡と同様の前処置を行い, 気管支鏡を楔入し, そのチャンネルを通して生理食塩水を通常, シリンジで50mlを用手的に3回注入, 回収する. 回収時には気管支の虚脱が起こらないように陰圧は強くかけすぎない. 洗浄部位はびまん性肺疾患では中葉や舌区の区域支または亜区域支を選択することが多い. 病変が限局しているときは病変部を選択することもあるが, 回収率が不良になる可能性がある. 洗浄部位の記載は忘れずに行う. BAL施行中の咳嗽は回収率を低下させ, またcontact bleedingによる血液混入は結果の解釈に影響するので, 十分麻酔して咳嗽を防止する.

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