- 著者
-
安蘇谷 正彦
- 出版者
- 日本宗教学会
- 雑誌
- 宗教研究 (ISSN:03873293)
- 巻号頁・発行日
- vol.78, no.4, pp.1059-1081, vii, 2005-03-30
近・現代における「神道研究」の百年を振り返ってみると、神道研究には、〔I〕神道の科学的研究と〔II〕神道学の二種類あることを提唱した。〔I〕の科学的研究には、神道の〔1〕宗教学的研究、(2)歴史学的研究、(3)民俗学的研究、(4)考古学的研究、(5)神話学的研究、(6)日本思想史学的研究などがあろう。〔II〕の神道学とは、日本の神々信仰の言葉化や理論化を目標にしながら、神道を研究することと規定したい。次にこれらの研究分野ごとに、主要な研究業績を紹介し、各分野の先駆的研究者の研究目的などを中心に述べる。終わりに神道の宗教学的研究者の主要な業績を紹介し、とくに先駆的研究家・加藤玄智の神道論と戦後もっともよく読まれた村上重良著『国家神道』の主張を取り上げた。神道研究者が即ち神道学者と言えないと論じている。