著者
林 拙郎
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.209-217, 1985-06-25
被引用文献数
3

山地崩壊に関する崩壊面積率を, 水文統計で用いられる超過確率雨量の概念を用いて検討した。まず初めに, 対数確率紙上にプロットされた日雨量に関するデータに対して, 豪雨時の日雨量が相当する超過確率Wを求め, その値と崩壊面積率s_aとの関係を対数確率紙上にプロットしてみた。その結果, 多雨地帯, 非多雨地帯に関係なく, s_a-W図上で地質の相違を区分することが可能であった。次に, 超過確率50%に相当する日雨量R_<50%>を用いることによって, 豪雨時の日雨量Rとの比R/R_<50%>(=X)を求めた。この比Xも, 雨量の地域的偏在性の影響を除いたものであり, 雨量相当(外)力を示している。このXと先のs_aをプロットするとs_a=aX^mの関係が認められた。ベキ数mは, 中古生層・第三紀層地帯で3/2,風化花崗岩地帯で2であった。以上のXとs_aとの理論的関係をワイブル分布を用いて調べ, Xのある範囲で上式が成立することを示した。

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こんな論文どうですか? 崩壊面積率と水文データとの二, 三の関係(林拙郎),1985 http://id.CiNii.jp/L5HlL 山地崩壊に関す…

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