- 著者
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久光 徹
新田 義彦
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.46, pp.71-72, 1993-03-01
べた書き日本語文の形態素解析においては、一般にきわめて多数の解が生じるため、それらの中から適切な解を選択する必要がある。そのためにさまざまな解の尤度付け手法が提案されているが、単語(またはカテゴリー)連接に関するマルコフモデルを用いて解の尤度付けを行なう手法は、代表的なものの一つである。本報告では、マルコフモデルを用いる手法において、与えられたマルコフモデルをより有効に利用し、モデルを変形することなく尤度付け精度を向上させる方法として、入力文字列に基づく各解の条件付き確率を利用する方法を提案する。以下では、マルコフモデル、条件付き確率の利用法、およびアルゴリズムについて簡単に述べた後、本手法により、最小コスト解の個数を(正解を含んだまで)低減できることを実験的に示す。更に、本手法を拡張して適用することにより、ある種の非確率的な尤度関数(例えば形態素数最小法、コスト最小法)についても同様の効果が見られることを示す。