著者
村田 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.472-473, 1990-03-14

筆者らは、或る種の述語論理システムの翻訳という方法による形式的意味記述の研究を、動詞を対象に行ってきた。現在は、この方法の形容詞への適用について研究を進めている。動詞で扱った問題には、(1)意味を実質的意味と非実質的意味に分け、更に前者を基本的を味と付加的を味に分けることによって一つの類義語群に共通する意味を抽出すること(2)アスペクチュアルな分類を行うこと(3)状態遷移図を使った関連語群の分析を行うこと(4)派生語のを味を元の言葉の意味から導出すること、等があった。形容詞については何が問題になるであろうか?機能主義に徹した観点からすれば、形容詞は単純状態性動詞(stative verb)の一種にほかならず、特にとりあげる問題はないと思えるかもしれない。しかし、形容詞には尺度という要素があって、尺度による関連語群の分析が問題になる。なお、この場合関連語群には品詞論上の形容詞だけではなくて、機能的に形容詞的働きをする言葉(動詞や名詞の形容詞的用法を含む)をすべて扱わないと有意義な分析にはならない。他方、日本語形容詞には統語論上ガーガ構文とよばれる形式が豊富であるが、これは動詞一般とは異なった取り扱いが必要である。本稿では、これらの問題のうち、ガーガ構文の取り扱いについての考察を行う。

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