著者
下山 進 野田 裕子 勝原 伸也
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.93-100, 1998-02-05
被引用文献数
7 7

日本古来の浮世絵は, 最も広く世界に行き渡った絵画形式であり, 西洋文化に対する芸術的衝撃, 特に多くの印象派の画家たちに与えた影響は"ジャポニズム"と言われる文化現象として知られている. 1823年ごろに刷られた葛飾北斎の浮世絵"四日市"の赤色の着色料(R1〜R3)と黄色の着色料(Y1〜Y3), そして1821年ごろに刷られた五渡亭国貞の浮世絵"木母寺暮雪"の青色の着色料(B1〜B3)について, それらの非破壊分析を光ファイバーを用いる三次元スペクトル法によって実施した. 色刷り標準試料のそれぞれと三次元蛍光スペクトルの等高線図を比較した結果, 赤色の着色料はベニバナの花弁から得られた染料"サフラワー", 黄色の着色料はウコンの根から得られた染料"ターメリック", そして青色の染料は藍の葉から得られた染料"インジゴチン"であることが明らかとなった.

言及状況

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こんな論文どうですか? 光ファイバーを用いる三次元蛍光スペクトルによる日本古来の浮世絵版画に使用された着色料の非破壊同定(下山進ほか),1998 http://id.CiNii.jp/ML2LL

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