著者
日色 和夫
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.T9-T12, 1979-02-05
被引用文献数
4 2

環境分析技術協議会会員42分析機関による工場排水中の全クロム定量の共同実験を行った.合成排水試料は3種,分析法はJIS K 0102-1974に示されているジフェニルカルバジド吸光光度法によった.まず試料Iを分析機関に配布して74個のデータを集めた.その結果,クロムの平均定量値は1.92mg/l,標準偏差パーセントは14.0%であった.次に試料IIを分析した.この場合は硝酸-硫酸又は硝酸-過塩素酸による有機物の分解操作及びクベロン-クロロホルム抽出法による除鉄操作を採用することにした.試料中に多くの共存物質を含んでいたために,結果の標準偏差パーセントは22.2%であった.試料吸光度が0.4より高い場合には底値が得られた.更に試料IIIを分析した.この場合,分析操作法を詳細に定めたところ,標準偏差パーセントは19.5%であった.以上の結果から,JIS K 0102-1974で示されているジフェニルカルバジド吸光光度法で排水中の全クロムを分析する場合,組成の複雑な試料では標準偏差パーセントを20%以下にすることはかなり困難であるという結論を得た.

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こんな論文どうですか? JIS吸光光度法による排水中のクロム分析の共同実験における精度の検討,1979 http://ci.nii.ac.jp/naid/110002908006

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