著者
鈴木 義仁 小泉 均
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.718-723, 1989
被引用文献数
1 3

不飽和結合の定最に利用されるヨウ素価はウィイス試薬やハヌス試薬を用いて,オレフィン性二重結合へハロゲンを付加させ消費されたハロゲンをヨウ素等に換算して求めている.このような試薬を用いる反応では試料量,反応時間などによりヨウ素価は異なる値を示すことが知られている.本報ではウィイス試薬,ハヌス試薬,及び臭素溶液を用いて付加反応によって得られたハロゲン付加物をHPLCにより分離・定性分析し,これらの試薬との反応によって,どのような付加物が得られるかを明らかにした.スチレンへの付加反応では使用した試薬の違いによるハロゲン付加物はHPLCで分離できた.しかし長鎖不飽和脂肪酸の付加物ではハロゲン種の違いに基づく相互の分離は達成できなかった.保持の近接した付加物ピークについては分取後,酸素フラスコ燃焼法によりハロゲンイオンとしてイオンクロマトグラフィーにより付加したハロゲン種を同定し,そのHPLCによる分離挙動を明らかにした.

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