著者
丹羽 芳樹 新田 義彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 自然言語処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.94, no.63, pp.49-56, 1994-07-21
被引用文献数
3

実用的な自然言語処理に求められる頑健性を確保するためには,ルールに基づく解析を補う数値計算的手段が有効である.単語ベクトルとは単語の意味を反映した座標表現であり,文脈の類似度計算や単語例からの学習など幅広い応用が期待される.本研究では2種類の単語ベクトルを用い,多義語の意味推定問題での効果を比較した.一つは大規模テキストから共起統計により得られる共起ベクトル,もう一つは辞書の語義から計算される単語間距離を用いる定義距離ベクトルである.9種類の多義語に関する実験結果では共起ベクトルの方が高い正解率が得られた.従って文脈の類似度に基づく多義性解消問題に関しては共起ベクトルを用いた方が有利である.

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