著者
湯浅 弘
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.97-111, 2004-03-15

本論文は,日本におけるニーチェ受容史研究の一環として西谷啓治のニヒリズム論に検討を加えようとするものである。西谷のニヒリズム論は,第二次世界大戦直後,日本でニヒリズムや実存思想が流行した時期における日本人のニーチェ解釈を代表する論考であり,その論考で西谷は,ニヒリズムに関するニーチェの言説を再構成して,ニヒリズムの諸相をニヒリズムの自己克服と見るある種の歴史哲学的視点を打ち出した。西谷の議論の特色は,ニヒリズム問題にアプローチする方法論を明確化した点に,またヨーロッパの思想史の中でニヒリズムという問題の位置を適切に洞察した点に,さらにはニヒリズム問題における科学的精神の意義を明確化した点などに求められるが,本論文では,以上のような論点について以下の項目に従って論じてゆくことにする。(1)日本人のニーチェ受容史における西谷のニヒリズム論の位置。(2)西谷のニヒリズム論の基本的視座。(3)ニーチェにおけるニヒリズムの諸相。(4)ニヒリズム問題における科学的精神の意義。

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