著者
岡部 憲二郎 井尾 健宏
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.67-73, 2006
参考文献数
22

摂食障害患者402名において, 自分の体に対しての認識と願望を聞き取り調査した.BMI(body mass index)が18以上の人では97%が自分はやせ過ぎとは思っておらず, 80%がもう少しやせたいと思っていたが, 16未満の人では86%が自分はやせ過ぎていると思っており, 90%がそれ以上やせたいとは思っていなかった.AN-R患者に限定しても同じ傾向がみられた.体の一部が肥えていると思う比率はBMIに比例して増加した.願望体重はBMIと相関し, 実際の体重と願望体重との差もBMIと相関した.神経性食欲不振症患者はやせの評価基準を低めに設定してはいたが, BMIが16未満の人では95%が実際の体重よりも多い体重を望んでいた.しかし, BMIが16未満でも67%は太ることを嫌悪しており, やせ過ぎているという認知との不協和が生じるために, やせ過ぎていることを気にしないなど, 病識がないようにみえるのではないかと考えられた.

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こんな論文どうですか? 神経性食欲不振症患者の病識 : 摂食障害患者全体のボディイメージの検討から(岡部 憲二郎ほか),2006 https://t.co/PPu8Ur31t8 摂食障害患者402名において, 自分の体に対しての認識と願望を聞き取り…

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