著者
野村 律夫
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.37, pp.139-148, 1992-03-15
被引用文献数
3

西南日本の内陸に分布する備北層群の有孔虫群集の変遷を明かにし, 日本海の拡大との関係を論議した。備北層群の中で最も顕著な群集変換面であるForam. Sharp Lineは, 14〜15 Maに相当し, 西南日本が時計回りの回転を起こしている時期と一致する。回転運動に伴った西南日本における地域間の差別的隆起・沈降は, 底層水の循環を悪化させ, 古日本海を還元的環境へと変化させている。Foram. Sharp Lineはこような環境の変化をとらえており, 中国地方の中央盆地(津山, 東城, 庄原, 三次の各堆積盆地)で特徴的にみられる。ODP Site797(大和海盆)でもForam. Sharp Lineが確認され, すくなくとも日本海西南部で同時期にこのイベントが起こっている。

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